モヤモヤする

ノーベル賞を受賞した中村修二さんのこと。

青色発光ダイオード発明の頃、彼が当時勤めていた会社との間で争っていたことを覚えています。

開発に見合う収入になっていない。

まぁ、ある意味ではそうなのだけれど…

モヤモヤ…

そう感じるのは、私がかつて大学の研究室で実験のお手伝いをしていた経験から来るのだと思います。

お手伝い、要するに研究の主体ではなくて、研究者の手となり足となる仕事。

私はその職場ではとてもいい環境に恵まれていて、ただお手伝いをするだけではなくて、実験をする上で改善した方がよさそうなところを進言して変えていって、なんてこともしていました。

でも、どれだけがんばってもお手伝いなんですけれどね。

研究者の皆さんは、研究がうまく当たれば若くても地方大学などの教授にランクアップしていきます。

私たちにはそういったことがありません。

一時期、教授から常勤にならないかとお誘いを受けたこともありましたが、せっかくのいい人間関係が壊れるのを恐れてお断りしたことがあります。

でも、そんな感じで出世なんてことがなくても、研究者の皆さんから頼りにされている、という実感があることで、どれだけ仕事がしやすかったか…

だから、彼の主張にモヤモヤしたのです。

もちろん、0から1を生み出すのがどれだけ大変かはわかるのです。

それを評価されるべきだというのもわかるのです。

でも、一人でがんばったわけではないのでしょう?

もしもあのとき、彼の口から周囲への感謝の気持ちが表現されていたのなら、私はこんなにモヤモヤすることなく、彼の評価がもっと高くなるべきだと心から言えたはずだったのです。

実験を補助する立場の人間として欲しい評価なんて簡単です。

いつもありがとな、お前らのお陰で実験がうまくいったよ。

それだけで、ほんとにそれだけで、気持ちよく高みに押し上げてあげられるのです。

それが感じられなかった彼を評価する気にはなかなかなれません。

もちろん、彼の研究がなかったら今の便利な生活はなかったので、その点ではとても感謝しているのだけれど。

つまり、生活者としては、素直に彼に感謝をしているのです。

お陰さまで生活がよくなりました。

だから、モヤモヤモヤモヤ…

視点を変えるだけで、絶対に評価なんかするものか!から、お陰さまで♪という気持ちになる。

だから、モヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤ…